皆様いかがお過ごしでしょうかstepです。今回はレッドウィング(RED WING) ベックマンの加水分解したソールの張り替えとすり減ったかかとの補修を自分で行ったので記事を書いてみました。
レッドウィング創設者のチャールズ・ベックマンの名が付いたベックマンシリーズはいつの時代でも変わらないスタンダードなフォルムのブーツです。stepもそのフォルムが気に入って購入しました(型は9011・ブラックチェリー)。ただこの靴、長く履いているとソールが加水分解してしまいます。これはベックマンではよくあることで避けては通れない道のようですね。私のベックマンも例に漏れずソールが加水分解でボロボロ砕けてくるようになりました。去年までは騙し騙し履いていたのですが、もう限界ということで今回の修理に踏み切りました。最近のベックマンのソールも加水分解するのでしょうか? まあ、その辺は置いておいて早速修理してみたいと思います。
ちなみにstepは靴に関して素人ですし、修理の仕方や手順におかしなところがあると思いますが、自分でなんとかしたいという強い気持ちはありますのでその辺はどうぞ大目に見てやって下さい(笑)。
準備したもの (アウトソール張り替え)
○ソール用ゴムシート 3mm
ゴムシート1枚では微妙に足りませんでしたので2枚購入。自分の靴底のサイズは購入前によく確かめておいた方がいいです。
○レザー 2~3mm (ソールの厚さ合わせに使用)
○接着剤 (コニシのGPクリアーを使用しました)
○レザークラフトで普段から使っている針と糸と千枚通し
○マイナスドライバー・カッター
○洋裁でよく使う糸切り(100円ショップで売ってます)
○コバインキ
○真鍮釘(ホームセンターでも購入出来ます)
○ホビーカンナ
○彫刻刀
○ドリルドライバー (なければヤスリを手動でかければOK)
○軸付砥石 電動ドリル用(100円ショップで購入)
手順(アウトソール張り替え)
修理前の加水分解したアウトソール。なかなかのボロボロ具合(笑)。
それでは早速修理していきます。
1.加水分解したアウトソールをマイナスドライバーで削ぎ落とす
2.加水分解したアウトソール部分の出し縫い糸を切り、糸を除去(この時どのように縫われているかをよく観察しながら糸の除去をしました。自分で後で縫うときの参考になるので)
糸切りがあると便利です
3.糸を切ってしまうとミッッドソールが剥がれてしまうので縫う前に接着しておく
簡単にパカッと外れてしまいました
接着
4.縫うラインを彫刻刀で彫る(縫い目が埋め込まれるようにする為)
写真の黒いこびり付いている加水分解したソールは後で除去しますが、この除去作業が結構大変
5.革のミッドソールの所で縫い付ける(出し縫いを新しいアウトソールを張ってから縫うか、縫ってから張るかを迷いましたが、次の交換は1枚のそこそこ厚みのあるソールを張るかも知れないので、次回は縫いなおさずに接着材のみで張り替えられるようにアウトソールを張る前にミッドソールの所で縫い付けました)。
ちなみに一般的には靴の出し縫い針はイノシシの毛やナイロン製の細い針を使うようですが、
そのようなものはstepは持っていないのでレザークラフトで使い慣れた針と糸で多少強引ですが縫いました。元の穴を千枚通しでしっかり広げながら一針一針ゆっくり縫っていけばとくに問題ありませんでした。糸に関しては元々縫ってあった糸の太さにあわせて手持ちのロウビキ糸を3本より合わせて太く丈夫な糸にして縫いました。
3本より合わせた糸
しっかり穴を開け直しながら丁寧に縫う
出し縫い作業完了
糸の色はベージュ
6.アウトソールを張る面をホビーカンナ等で削って整える。加水分解したネチョネチョしたソールがこびり付いていると接着剤が効かないので頑張って削り落とす。(これが結構大変で、縫った糸を傷つけないように気を使いながらだし、ネチョネチョが落としにくかったです。なのでこの作業は出し縫いをする前にやった方がいいです。
7.ソール用ゴムシートを靴より少し大きめにカット(ゴムシート1枚だと1足分がギリギリ取れないのでシートは2枚使用)又、シートと同じ大きさで「厚さ合わせのレザー」もカット。
8.2枚のソールを張り合わせる。(接着面はヤスリで荒らす。)ローラーとハンマーでよく圧着
よく圧着する
アウトソールの完成 5~6mm位の厚さですね
9.ミッドソールに新しいアウトソールを張り付け。こちらも接着面はヤスリで荒らし、ローラーとハンマーでよく圧着
10.余分なアウトソールの切り取り
11.コバ面を整える。ヤスリか電動ドリル等で
12.コバインキ(黒)でコバの着色
13.釘を打つ(片足:真鍮釘6本打ち込みました)
14.アウトソールの角を落とす
15.アウトソールの張り替え完了
次にかかとの補修をします。
準備したもの(かかとの補修)
○シューズドクターN(黒)20ml
今回は容量の少ない使い切りタイプにしました。余ると保存が難しいので。
付属品(説明・ポリ版・ヤスリ・本体材料・ヘラ)
○ ソールキット ニューキスト
2足分入っています。(1足は別の靴に使用済み) サイズがいくつかありますが、私は「no.5」をいつも使用しています。
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○マスキングテープ
○ガムテープ
手順 (かかとの補修)
修理前のすり減ったカカト
1.マスキングテープで肉盛り範囲を決め、付属のヤスリで平滑にする(汚れ落とし・脱脂を兼ねる) る
2.ポリ板で肉盛り範囲を巻く。引っ張りながら隙間が出来ないように。※ポリ板はツヤがある面を内側(補修する面になるように)する。これ超重要。
3.ガムテープでポリ板をしっかり固定。これも超重要。靴の素材もありますのでガムテープでなくとも何か粘着力の強めでしっかり固定出来るテープの方がいいです(シューズドクターNを充填している際にちょっとでもずれたりすると漏れや気泡の原因になりますので)。
4.シューズドクターNを充填 。ヘラで奥までしっかり充填するように押し込む。気泡が出来ないように念入りに。ポリ板は半透明ですので外から充填具合を良く確認。
偉そうに説明していますが、いつもあまりうまくいきません(笑)。
5.余分なシューズドクターNをヘラでかき取る。
6.乾燥(24時間程度)
7.マスキングテープ・ポリ板を除去
継ぎ目はもう少し削った方がよさそうですね。
8.かかと補修完了。
靴底修理完成
9.肉盛り部分をさらに保護する為に「ソールキット ニューキスト no.5」の取り付け。接着剤で貼り付け後に釘うち。
見た目はちょっとアレですが長持ちします。
※ 次回は減りが肉盛り部分に到達する前に「ソールキット ニューキスト」を交換していきます。肉盛りは何気にめんどくさいですが、ソールキットは貼って釘を打つだけなので簡単(両面テープで貼れるようになっていますが、stepは接着剤で貼っています)。
ちなみに最近は新しい靴のかかとにもいきなり「ソールキット ニューキスト」 を貼っています。
10.最後に靴を磨いて全工程完了。
上部より
どうでしょうか。
という感じが今回の修理の流れです。
使用感・思うこと
ソールを張り替えてから何度か履いてみましたが、グリップ力もありますし長時間歩いても特に気になる不具合もなく良好でした。後は耐久性ですかね。毎日のように履く靴ではないので長く持ってくれるような気がします(希望的観測 笑)。 私はレザークラフトも趣味で、革が余っていたこともあり今回のような「革」と「ソール用ゴムシート」を張り合わせるようなことをしましたが、次回はビブラムの少し厚みのある一枚のゴムソールを張ろうかなと思っています。
完成
まとめ
今回は「レッドウィング ベックマンを自分で修理する」という記事でしたがいかがだったでしょうか。素人の多少強引な修理でしたが見た目もそこまでおかしくならずに出来たかなと思います。何よりお気に入りの靴がまだまだ履いていけそうなので満足しています。ちなみに私は今回紹介したベックマン「9011ブラックチェリー」の他にベックマン「9014ブラック」も好きで履いています。用は色違いなんですけど。ブラックの方はまだ加水分解が起こっていませんがいずれ起こりますのでその時はまた今回の方法で修理してみようと思っています。
またしばらく楽しめそうです。
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それでは、最後までお付き合い頂きありがとうございました。腕時計に乾杯!