皆さまいかがお過ごしでしょうか。stepです。
今回は「小型の3つ折り財布」を自作したので紹介したいと思います。
stepは「L字ファスナー財布」が大好きで、このブログでもいくつも紹介しているのですが、
先日、書店のレジで小型の3つ折り財布を使っている年配の方がスマートに会計を済ませるのを見て、「ああ、3つ折り財布もいいなあ」なんて思いました。
思ったら最後(笑)、早速作りたくなり自分に合った3つ折り財布の構想をその日に開始。ちょうど革も余っていたしね。
3つ折り財布に求める条件
自分に合った三つ折り財布の条件を考えてみました。
1.小型であること
2.お札に折り目を付けない
3.鍵が収納できること
4.キャッシュレス時代とはいえ、カード・お札・小銭がそこそこ入る
5.ファスナーで閉まる小物入れがほしい(薬やエネキー等の細かいものを入れる)
6.財布単体でなるべく嵩張らないように
こんなことを考えながら設計して、型紙を作りました
準備したもの
○牛革(1.6mm) しっとりしなやか、スムース系→ 外装に使う
今回は財布単体でもなるべく嵩張らないようにしたいので外装の革は薄目のしなやかで柔らかい革を使用。裏地は張りませんでした。財布って厚い革の方が丈夫でよいと思って作ると、それが重なっただけでかなりのボリュームになってしまいます。結局、中身を入れる前から膨らんでしまってビミョーな感じに・・・。
薄くて丈夫な革を探しておくと小型化という意味では色々とメリットがあります。
○牛なめし革 (1.0mm弱) かなり柔らかい革→ 札仕切りに使う
札仕切り、カード仕切り、鍵ポケットに使う革です。内部にはとにかく薄い革をチョイス。
○ファスナー(YKK) 10cm ファスナーは信頼のYKK。
ファスナーと言えばYKK一択。
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○レザークラフト用具
【カッター・マット・革包丁・銀ペン・ボンド・トコノール・針・糸(ロウビキ済)・菱目打ち・ホビーバイス・ガラス板・へり落とし・ポンチ・ホック打ちと打ち台・ゴムハンマー・ローラー・コバ磨き棒・ロウ・はんだこて等・・・】。出来れば専用品を用意すると作業がしやすいのは、トコノール・針・糸・菱目打ち・へり落とし・ホック打ちと打ち台ですかね。ほかの道具はアイデア次第で色々なもので代用が可能だと思います。何気に100円ショップで代用品を探すのも楽しかったりします(笑)。
※レザークラフト道具一式がセットになったものも販売されていますのでまとめて欲しい方は・・・
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作成の流れ
それでは早速作っていきます。
おおなかな流れはこんな感じ。
①型紙の作成。
だいたいの財布のイメージが決まったら、CAD等で財布の型紙を作ります。
その後、コピー用紙とホチキスで試作。サイズ感や納まり等、実際のお札やカードを入れながら確認する。作ってしまってからお札が入らないとか、ここにもう少し余裕があったら・・・何てことをなるべくなくすことが出来ますので、この作業はとても重要だと思っています。それと、大切な材料を無駄にしない為にも・・・。
型紙を打ち出し
試作 正面
ホチキスで留めてボリューム確認
実際にお札を入れてサイズ等を確認
②型紙に合わせてパーツを切り出す。
レザーに線を書く時は「銀ペン」が便利。銀ペンとは簡単に言えば銀色インクのボールペンです。銀ペンは色々ありますが、私は「schneiderのK1」というペンを使っています。ノック式ですし、替え芯なんかも販売されてますのでおすすめ。
パーツの切り出し
銀ペンはいつもこれ。
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③床面の処理
後で処理しにくい所はあらかじめやっておく。
④鍵ポケットとカード入れの作成
写真の通り、鍵ポケットとカード入れを縫い付けます。
カード入れの大きさ(幅)は何枚カードを重ねて入れたいかによって少しずつ変わってくるので、実物のカードを使って要検討。このサイズ感が意外と難しいんです。
パーツごとに作っていきます
鍵ポケットは逆さまでも落ちないように蓋をつけました
⑤小物入れ(小銭入れ)部分の作成
ファスナーは10cmを用意しましたが、少し長いのでカット(詰める)します。
そしてファスナーの取り付け
※ファスナーの詰め方はネットで検索すると沢山の方が丁寧に解説してくれているのでそちらで見るといいかと思います。
ちょっと見えにくいですが、黒いマジックで詰めるファスナーのコマに印をつけて・・・
ペンチでコマを1つずつ丁寧に外していく
押さえの金物(ファスナーが抜けないようにする一番端のストッパー金物)を付けなおしてファスナーの詰めは完了。
後はファスナーの取り付け(縫い付け)をしていきます。
⑥外装革に小銭入れパーツを取り付ける
外装パーツに小銭入れ部品を取り付け完了
マチは小銭の出し入れにとても重要です。あるのとないのでは雲泥の差。
⑦札仕切りを取り付ける
外装革と札仕切りを両面テープで位置決めして一気に縫っていきます。
右下の白く見えるのは両面テープ
⑧ホックの取り付け
ホックもパーツごとに作成
ちょうどお札部分にホックがきてしまうので引っ掛からないように写真左のホックを分解して写真右のように2つのパーツにします
ホックの受け側には先ほど分解した部品(写真上)を使います
お札部分のホック。これならお札の出し入れの時に引っ掛かる心配はありません
ホックの取り付け完了
⑨取っ手(引手)の作成
元々付いている引手がいまいちなので「細く切った革」で引手の作成します。
いらない取っ手をニッパーで切断
細い革を通して・・・
縫い合わせて完成。超簡単な取っ手です。
⑩トコノールでコバの処理。「革の達人」で軽く磨く
ほぼ完成です。最後に革の達人で軽く磨きます。
財布はとてもしなやかですので容量も期待できます
⑪完成
サイズは約 横94mm×縦65mm×厚18mm
正面
裏側
大まかですが、完成までの作業工程はこんな感じです。
使用感
小型の3つ折り財布を使うのは初めて(以前にそこそこ小さい3つ折り財布は作りました)ですが、小さくてもお札の出し入れが凄く楽だなあと感じました。比べる対象が現在使っている小型のL字ファスナー財布(これも自作)なので何とも難しい所(笑)ではありますが、それが第一印象です。正直、どちらの財布も自分に合わせて作ってあるので使いやすいのですが。
小銭入れも片方にマチを付けてあるので結構の量の小銭が入りますし、取り出しもしやすいですね。ただ、私は小銭は入れないで小物入れとして使う予定です(薬・エネキー・他の鍵等)。
試しに「鍵1本・カード7枚・お札5枚・小銭10枚」を入れてみました
上から見るとこんな感じ。手前カードポケットにはよく使うカード3枚、奥には普段は使わないカード4枚入れています。又、手前の大きな収納部分には領収書等を会計時にすぐ入れられるようになっています。
個人的に重要な鍵ポケット
小銭入れも片方にマチを付けているので10枚入れてもまだまだ余裕。
まあ、中身を入れるとそこそこ膨らみますね
サイド
サイド(カード側)。財布をホックで止めるとしっかりホールドされるのでカードが落ちることもありません。
今回テストした位の量だとだいぶ余裕を持って使えそうです。
結局のところ小型L字ファスナー財布、小型3つ折り財布の両方を作ってみて感じたのは「小型最強」という事でした。やっぱり持ち物の多い現代では嵩張らずに小さいというのはホント正義だなあと思います。
まとめ
今回は「小型の3つ折り財布」の紹介でした。
本当は全く作る予定はなかったのですが、書店の年配の方を見て3つ折り財布を自分も使いたくなって、作ってしまいました。
ちなみにその年配の方が使っていた3つ折りの小型財布は多分m+(エムピウ)というブランドの「ストラッチョ」という財布だと思います。
チラッと見ただけなので確実とは言えないんですけど・・・。
このストラッチョは出来るだけ余分な部品や機能を足さず、革に包んでホックを留めるだけで成立させることを目指したそうで、そのシンプル・スタイリッシュさでとても人気のある財布のようです。
ストラッチョ(straccio)とは端切れ・ぼろ切れという意味で、それが転じて「存在感が希薄な」といった意味合いで名付けられた肩肘を張らない財布だそうです。う~ん、シンプルで素敵な財布ですね~。若干小銭入れ部分が不安ですが使いやすそうです。ストラッチョシリーズには色々な革の種類があって、お値段も1万円以下のものから用意されていてなんか良さそうです・・・。小型財布に興味がある方は是非見てみて下さい。↓
今回stepが作った財布はそのストラッチョとは全く違う作りのものになりましたが(自分専用に考えてたらこうなった)、3つ折りで大きさはだいたい同じくらいです。
現在、2週間位使っていますが会計もスマートに出来ますし、カードやお札も落とすことなく、そして領収書なんかも手前の大きなスペースに入れられるのでとても快適です。
ただ、個人的には財布のまわりをファスナーで閉める(大事なものを囲う)という作りがとても安心感があって好きなので、やっぱりL字ファスナー財布に軍配が上がるかなと思います。そのうち元に戻すと思いますのでこの3つ折り財布はサブの財布になりそうです。大事なものは囲いたいという変な拘りがあります(笑)。
左:小型L字ファスナー 右:小型3つ折り財布
サイズはほぼ一緒ですね
衝動的に作った財布ですが色々な発見があってとても楽しかったです。今度はどんな財布を作ろうかな・・・。それにしてもいつも黒い財布ばっかりだな(笑)。
それでは、今回はこの辺で。皆様の生活の何かの参考になったら嬉しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。腕時計に乾杯! レザークラフトに乾杯!