皆さまいかがお過ごしでしょうか。stepです。今回は腕時計の革(レザー)ベルトを自作したので紹介したいと思います。ベルトを装着する時計はエニカ ウルトラソニック(enicar ultra sonic)とオメガ ジュネーブ(omega geneve)です。共に古い手巻きの時計(アンティークと呼ばれる部類に入ると思います)ですが、現在日差も実用範囲内で元気に稼働しています。気分転換も兼ねてベルトを自作しました。
ENICAR(エニカ)はスイスのレングナウで1854年に創業された土星のマークが印象的なブランドです。stepが所有するウルトラソニックは今でも中古販売、オークションやフリマサイトでも出品されているのを見かけます。もちろん状態は様々ですが、価格が非常にリーズナブルですので、良い個体が見つかれば昔の雰囲気が気軽に味わえるし、プラスチックドーム風防で全体のフォルムも美しいです。又、サイズも小ぶり(約34mm:リューズ除く)なので軽いし着けやすいのでとても気に入っています。一言でいえばしっくりくる感じですかね。そして、古い時計は文字盤の焼けも魅力の一つです(なんか歴史を感じます)。もう一本のオメガのジュネーブですが、こちらもサイズは小ぶり(約35mm:リューズ除く)でウルトラソニック同様気に入っています。ただ、古い時計は故障のリスクやメンテナンスの問題はあるので、その辺は考え方は分かれる所ではありますよね。
サイズの大きい時計も魅力ですが、この32mm~35mmあたりのサイズ感って総合的にみてとてもバランスのとれたものだと個人的には思っています。皆さんはいかがでしょうか?
革ベルトを出来るだけ簡単に自作するために
作るベルトのイメージとしては文字盤の焼けに合うような色で、シンプルかつアンティークな雰囲気を持つベルトです(笑)。簡単に自作するということで、今回作るベルトは裏貼りもしないですし、 切りっぱなし仕上げにしました。又、ステッチも6カ所と少ないので、手間もかからず作りやすいと思います。それでも そのシンプルさゆえにスッキリとして、いい感じに仕上がったんじゃなかと思っています。おおいなる自己満足ですが(笑)。
今回の2本の時計はラグ幅が18mmですのでベルトは共通で使う予定です。又、もう一本同じデザインのラグ幅22mmのもの(別の大型の時計に装着予定)もせっかくなので同時に作りました。
材料はいつものようにレザーのはぎれセットで購入した中のもの使っています。1枚革での仕上げですので多少厚めのものを選ぶとしっかりしてていいと思います。
制作手順
1.型紙を制作(持っている何か別のベルトがあればそれを基準に型をとることも出来ます)
2.型紙に合わせてレザーに型を写す。銀ペン(レザーに線が書けるペン)があると便利。
3.型に合わせてレザーを切り出す。
4.バネ棒が納まる部分(折り返す部分)はカッター等を使ってレザーを薄くスキ取る。(腕時計に装着するときにレザーが厚いとバネ棒がうまくケースに納まらない可能性がありますので)
5.楊枝を使ってバネ棒のスペースを確保しながら薄くした部分のレザーを折り返して接着。(接着にはレザークラフト定番ボンドの「コニシ G17」を使っています。コストパフォーマンス抜群です)
6.ベルトループ(定革と遊革)を2本作り糸と接着剤を使って固定。 定革はベルトに糸で固定。
7. ステッチ部分に菱目打ちで穴を開け、糸(ロウビキ済)でステッチ6カ所を縫う
8.尾錠部分のつく棒の切れ込みを入れる。
9.ベルト裏面及びコバにトコノールをつけて磨く。又、コバ部分は半田ゴテで適宜焼くなどしてビンテージ感を多少出してみました。
10.仕上げに、レザーワックス等でベルトを磨く。
11. 尾錠取り付け。
12.腕時計にベルトを取り付けて、自分の手首に合わせて子穴をあける。(自分専用ですので2カ所しか子穴はあけていません)
13.取り付け部分にぐらつき等の不具合がないかを確認して 完成。
おおまかな手順は以上です。
※菱目打ち (革を縫う前に縫穴をあける道具:ヒシ目打ち)
※ トコノール(革の床面やコバに塗って棒でこすると美しく滑らかに仕上がります)
※ 糸(ロウビキ済:縫い穴との摩擦が少なくなるので縫いやすくなります)
腕時計に取り付け
ベルト完成後「ウルトラソニック 」と「ジュネーブ」に早速取り付けてみましたがどうでしょうか。 自作ですので作りの粗さはありますが、個人的には焼けた文字盤の色との取り合わせもうまくいったと思いますし、まあまあの仕上がりになったのではないかと思います。アンティーク系時計にはもちろん綺麗めなベルトは似合いますが、今回作ったベルトは無骨といいますか、ラフといいますか、これはこれで違った雰囲気で満足です。又、レザーベルトはエイジングも楽しめますのでこの先どんな変化があるのかも期待です。
ウルトラソニックに取り付けた感じ
次にジュネーブに取り付けた感じ。
まとめ
今回は腕時計のベルトを自作するという記事でしたがいかがだったでしょうか。ベルトを変えると気分も新鮮になりますし、同じ時計なのにガラッと雰囲気が変わって全く違う印象になることも多々ありますのでとても楽しいですね。又、ベルト交換はイメチェンや気分を変える他に、季節によってベルト交換をして材質(ステンレス・革・ナイロン・ラバー等)を使い分ければ、革のベルトの寿命を延ばすというメリットもあります。自作をするしないは置いておいて、ベルトを定期的に交換して使い分けることには沢山のメリットがありますのでもし興味があれば試してみて下さい。
それでは、今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。腕時計に乾杯!