皆さまいかがお過ごしでしょうか。stepです。今回はレザークラストのお話です。と言いますのも、またまたL字ファスナー財布を自作してしまいました。なんともう4作目です。またかよって声が聞こえてきそうですが(笑)、よろしればお付き合い下さい。
今回作ったのはこんな感じのL字ファスナー財布です↑。そこそこ小型。
ちなみに今までのL字ファスナー財布の記事はこちらから(1~3作目)。製作過程も大まかですが書いてあるので、もし興味があったら読んでみて下さい。
1作目
2作目
3作目
前回(3作目)、リザードの小型L字ファスナー財布を自作してしばらく使っていますが、このサイズ感がとても気に入りました。やはり財布が小さいっていうのは何かにつけて楽というか、メリットばかりです。特に財布をズボンの前ポケットにしまうstepとしては小さければ小さいほど魅力がありますねぇ。
という訳で、3作目で多少気に入らなかった部分や省いてしまった機能を復活・新機能を盛り込むなど、さらに理想の財布に近づけるべく改良を加えて4作目のL字ファスナー財布を自作しました。
改良点・新機能
前回からの改良・変更点としては
●レザー色は黒(個人的に財布は黒が好きなだけです)。
●3作目(リザード)ではお札を2つ折りで収納した際に、しっかり奥まで入れないとお札の角が引っ掛かることがあったので、これを解消すべくコーナーのRを出来るだけ小さくしつつ、見た目もいいようなバランスで作成。
●鍵を最低3本収納。内1本(家の鍵)は財布を開けることなくスムーズに使えるような仕組みで作成。この機能は2作目の復活です。多少の改良あり。最近は諸事情で鍵を3本持ち歩くようになってしまったので。多すぎ(笑)。
●エネキー(ENEOSセルフのサービスステーションでガソリンを入れる際に使える新スピード決済ツール)を収納するポケットの作成。一般的には車のカギやバイクの鍵に着ける事が多いと思いますが、stepは財布にいつも入れているもんで。それにしてもエネキーは楽ですな。
●内部両脇のカード収納は固定ポケットからフラップ式に変更。
●小銭(小物)入れは浅くする。深いと小銭が取り出しにくいのもありますが、深い部分に小銭が溜まると両サイドのカードと干渉して財布が厚くなったりファスナーが締めにくくなったりするのでその辺を解消する為に浅くしました。ちなみにstepは小銭入れではなく小物入れとして使う予定。
●新機能「お札スルーシステム」(←勝手に自分で名付けました 笑)を取り入れました。この入れ方を使えばお札の端がファスナーに引っ掛かることもありませんし、お札を別部屋に収納出来ます。又、折り目も付きませんのでいいことだらけ。お札を入れる際に多少のコツはありますが、慣れてしまえばまったく問題ありません。
以上が今回の財布作りに取り入れたことです。
材料や準備したもの
○牛革(1.6mm) しっとりしなやか、スムース系→ 外装に使う
○牛ヌメ革 (1.0mm) コシがあって少し固め→ 内張・カードフラップ・小銭入れ部分に使う
○牛革(0.8mm)→ お札スルーシステムの仕切りパーツ。出来るだけ薄くてコシがあって表面は滑りの良いツルっとしたものが良い。
○ファスナー(YKK) 20cm ファスナーは信頼のYKK。
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○レザークラフト用具 【カッター・マット・革包丁・銀ペン・ボンド・トコノール・針・糸(ロウビキ済)・菱目打ち・ホビーバイス・ガラス板・へり落とし・ポンチ・ホック打ちと打ち台・ゴムハンマー・ローラー・コバ磨き棒・ロウ・はんだこて等・・・】。出来れば専用品を用意すると作業がしやすいのは、トコノール・針・糸・菱目打ち・へり落とし・ホック打ちと打ち台ですかね。ほかの道具はアイデア次第で色々なもので代用が可能だと思います。何気に100円ショップで代用品を探すのも楽しかったりします(笑)。
※レザークラフト道具一式がセットになったものも販売されていますのでまとめて欲しい方は・・・
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作成の流れ
毎度L字ファスナー財布を作ってきましたが、基本的な作り方は一緒ですので今回も大まかですが全体の流れを書いていきたいと思います。L字ファスナー財布の過去記事では多少詳しく作り方を書いているページもありますので宜しければそちらも合わせてご覧ください。
①型紙の作成。コピー用紙とホチキスで試作してサイズ感や納まり等、実際のお札やカードを入れながら確認する。この作業はとても重要だと思います。大切な材料を無駄にしない為にも・・・。
②外装の革(1.6mm)と内張の革(1.0mm)を接着剤で貼りつける。
③型紙に合わせて切り出す。レザーに線を書く時は「銀ペン」が便利。銀ペンとは簡単に言えば銀色インクのボールペンです。銀ペンは色々ありますが、私は「schneiderのK1」というペンを使っています。ノック式ですし、替え芯なんかも販売されてますのでおすすめ。
④小銭入れ・鍵ポケット・鍵ホルダーの作成。そこにあらかじめマチも取り付けて中身(内部パーツ)を完成させておく。縫う順番をよく考えながら作らないと後では縫えないなんてこともあるので注意が必要です。
⑤ファスナーの取り付け。
⑥「外装」と「カードフラップ」と「内部パーツ」を縫い合わせる。
レザークラフトで縫う時に作品を固定する道具として有名なのは「レーシングポニー」がありますが、stepが小物を縫う時にいつも便利に使っているのは上の写真にも少しですが写っているバイスです。テーブルに挟んで固定するタイプや吸盤で貼り付けるもの、又、首が自由に動くものなど色々とあるので自分の使いやすいものを一つ持っているとレザークラフトでも何かと役に立ちますのでおすすめ。バイスにも鉄製のごっついモノやホビーバイスといったような軽量のものまで色々あります。ちなみにstepが使用しているのはホビーバイスです。
⑦トコノールでコバ処理
⑧元々付いている取っ手がいまいちなので「Dカン」と「細く切った革」で取っ手の作成。Dカンに革を2つ折りにしたものを通し中心を縫い、角を整えて完成。簡単な取っ手です。
⑨新機能「お札スルーシステム」に使用する革(仕切りパーツ)の作成。床面処理・コーナーのカット。
⑩「お札スルーシステム」の仕切りパーツを財布にセット
⑩「革の達人」で軽く磨く
最後は気分的にも綺麗にして完成させたいですよね。
いつも気に入って使用しているレザーワックス「革の達人」です。値段も手頃でおすすめ。
⑪完成
手のひらに乗せるとこんなサイズ感。どうでしょうか。特になんてことのないデザインですがシンプルイズベスト!ということで(笑)。
上から。
サイドから。真ん中の穴から鍵が飛び出ます。鍵のヘッドより財布の鍵穴の方が小さいので鍵が抜け落ちることはありません。
使用感・おもうこと
今回のL字ファスナー財布のサイズは実寸で約 横11.0cm×縦8.2cm×厚2.3cmでした。3作目(リザート)は横11.0cm×縦8.5cm×厚2.0cmですので、縦が若干縮んでマチが若干広がった感じですね。サイズ感はほぼ一緒です。
●お札の入れ方は・・・
サイドから滑らせて入れます。財布の底を通って逆側までスルッと入ります。
革をめくるとこんな感じで収納されています。
●スライドキー(飛び出す鍵)
鍵のセットについてですが、
まず、革ひも作り、鍵に通して先端に結び玉を作る
鍵ポケットに鍵を入れて先端の結び玉を財布の外に出すようにセットします。
結び玉を引っ張ると鍵がスライドして飛び出しますのでそのまま鍵穴へ刺すことが出来ます。夜など暗い場所で財布に入れた鍵を探さなくていいし、ただ紐を引っ張るだけなので楽ちん。家の鍵を入れておくと非常に便利です。
●収納例として写真に写っている内容を収納してみました。
お札5枚・小銭10枚・カード(厚いタイプ)16枚・鍵3本・エネキー1本
こんな感じになりました。何気に大容量。小銭入れ部分の左端の細い部分が鍵ポケットです。
エネキーはマチの部分に深いポケットを作りましたのでここに収納出来ます。小銭と一緒になってしまいますが、stepは小銭入れとしては使わず、小物入れとして使う予定ですので問題はありません。
中身を詰め込んでもお札の出し入れに支障はありませんでした(若干はきつくなりますが実用上問題なし)。
多少膨らみますが、全て収納出来ました。この位の量が快適に使用できる限界ですかね。実際私が使う場合はカード類は免許や保険証含めても7~8枚程度ですので十分余裕はあります。
お札スルーシステムですが、これがなかなか使いやすいです。まず部屋が別なので見た目スッキリですし、お札が囲まれてる安心感があります。そして折り目がくっきりつかないので、チケットや商品券も収納しやすいです。前回の課題だったファスナーにお札が引っ掛かる事もありません。
そしてなんとなんと、お札スルーシステムの1枚の革(仕切りパーツ)を取り外せば今までのL字ファスナー財布の使い勝手に戻すことが出来ます。この辺が新しいです(笑)。元の使い勝手に戻しても収納量も変わりませんし、財布の角のカーブを変えたのでお札の引っ掛かりもないので快適に使えます。まあ、お札スルーシステムのメリットが多いので外して使う事はないと思いますが、この辺はしばらく使ってみないとわからないですからね。
まとめ
今回はL字ファスナー財布を自作する・第4作目ということで紹介してみました。L字ファスナー財布に魅了されて色々と作ってきましたが、これで完璧だと思ってもやっぱり実際使ってみると色々と欲が出てくるもんですね。理想に近づいてはいるけど完成することはないんだなあと思います。時代も流れていくので、その時々で使い勝手が変わってくるのは考えてみれば当然ですよね。
それでは、今回はこの辺で。最後までお付き合い頂きありがとうございました。腕時計に乾杯!レザークラフトに乾杯!