皆さまいかがお過ごしでしょうか。stepです。
今回はまたまた「L字ファスナー財布を自作」してしまいました(笑)。どうも気に入るまで突き詰める癖があるのですが、なんともうL字ファスナー財布は5作目になりました。
もうここまで来たら、6作目もありえるかも(笑)・・・。
という冗談はさておき、今回のL字ファスナー財布は「カードサイズ」です。出来るだけ小型を狙ってみました。
さらにカードサイズでもお札は折りたくなかった(お札に折り目を付けたくなかった)ので色々と試行錯誤して何とか完成させました。これで、日々変わっていく私のL字ファスナー財布の理想に一歩近づいた感が今回もありました。←なんやねんそれ(笑)。
ちなみに今までのL字ファスナー財布の記事はこちらから(1~4作目)。製作過程も大まかですが書いてあるので、もし興味があったら読んでみて下さい。
1作目
2作目
3作目
4作目
今回苦労したのはやっぱりカードサイズでもお札は折らない工夫です。
小型のL字ファスナー財布やラウンドファスナー財布はよくありますが、どれもお札を2つ折りや3つ折り、さらに小ささを追求すると4つ折りの財布まであるようでした。
私はカードサイズでもお札は折らずに収納したいという思いが強かったのでここには拘りました。
前回(4作目)で小さくてもお札を折らない新機能「お札スルーシステム」(←勝手に自分で名付けました 笑)を考えましたので、それをさらに改良してカードサイズでもお札を折らないこと、会計時にお札をスムーズに取り出せて、そしてスムーズしまえる新新機能を作りました。その名も「お札くるんスルーシステム」(←またもや勝手に自分で名付けました。何か言いずらい名前w)です。
まあ、熱弁する割にはたいした工夫じゃないという声が聞こえてきそうですが・・・(笑)。
それと、そうそう、今まで使って便利だった「飛び出す鍵」機能はstepにとってなくてはならない便利機能なので今回ももちろん搭載しました。
そもそも、なぜ前回(4作目)よりも財布をさらに小さくしようと思ったのかですが、私の場合、財布はズボンの前ポケットに入れます。単純に前ポケットの膨らみ(モッコリ感?)を出来るだけ減らしたかったのです。ラフなズボンならいいのですが、少しタイト目なズボンだと意外と目立つんです。
そんなことをどっかの洋服屋さんの鏡を見た時に気づいてからは、もう気になって気になって、気付いたら新しい財布を作ってました。小さくしてもカード等が沢山入るようにも心がけて作りました。
それでは作成の様子に行ってみましょう。といっても今までのL字ファスナー財布の作り方と大した変わりはないのでザックリ紹介したいと思います。
材料・準備したもの
○牛革(1.6mm) しっとりしなやか、スムース系→ 外装に使う
今回は小型でもカードを沢山入れたいということもあって、外装の厚さは薄目、しなやかで柔らかい革を使用しました。又、内張はしませんでした(内張をすると強度は増しますが、固くなり容量が減るので)。この辺の素材選びと使用勝手のバランスは難しいですね。
○牛ヌメ革 (1.0mm) コシがあって少し固め→ 小銭入れ部分と「お札くるんスルーシステム」に使う
○ファスナー(YKK) 20cm ファスナーは信頼のYKK。
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○レザークラフト用具
【カッター・マット・革包丁・銀ペン・ボンド・トコノール・針・糸(ロウビキ済)・菱目打ち・ホビーバイス・ガラス板・へり落とし・ポンチ・ホック打ちと打ち台・ゴムハンマー・ローラー・コバ磨き棒・ロウ・はんだこて等・・・】。出来れば専用品を用意すると作業がしやすいのは、トコノール・針・糸・菱目打ち・へり落とし・ホック打ちと打ち台ですかね。ほかの道具はアイデア次第で色々なもので代用が可能だと思います。何気に100円ショップで代用品を探すのも楽しかったりします(笑)。
※レザークラフト道具一式がセットになったものも販売されていますのでまとめて欲しい方は・・・
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作成の流れ
①型紙の作成。いつも通りコピー用紙とホチキスで試作して、サイズ感や納まり等、実際のお札やカードを入れながら確認する。この作業はとても重要だと思っています。大切な材料を無駄にしない為にも・・・。
といいつつ試作の写真を撮り忘れてしまいました。毎回同じ事をしているので気になる方は4作目のコピー用紙とホチキスでの試作の様子を見て下さい。
②型紙に合わせてパーツの切り出し。レザーに線を書く時は「銀ペン」が便利。銀ペンとは簡単に言えば銀色インクのボールペンです。銀ペンは色々ありますが、私は「schneiderのK1」というペンを使っています。ノック式ですし、替え芯なんかも販売されてますのでおすすめ。
③小銭入れ・鍵ポケットの作成。そこにあらかじめマチも取り付けて中身(内部パーツ)を完成させておく。縫う順番をよく考えながら作らないと後では縫えないなんてこともあるので注意が必要です。特に飛び出す鍵部分。
内部パーツは先に完成させておく
鍵ポケットに鍵を入れて・・・
飛び出し具合も確認
④縫う部分の穴あけ
最近は写真のように縫い穴の位置を菱目打ちで軽く付けたら、菱ギリ?千枚通し?で一目ずつ穴を開けることが多いです。ドンカンドンカンハンマーの音もしないので夜中でも心置きなく作れます。
ちなみに下敷きには以前100円ショップで購入したコルク板を敷いて穴を開けています。このコルク、たしか商品名は「鍋敷き」だったような・・・
簡単な構造の財布なので先に穴を開けちゃいました。
⑤ファスナーの取り付け。
細い両面テープでファスナーを・・・
仮止めして・・・
縫い付ける
⑥「外装」と「内部パーツ」を縫い合わせる。
縫い穴がズレないように適当な針を差し込んでおくと作業がしやすい
ズレ防止の針を抜きながら縫っていく
ちなみにstepは小物を縫う時は写真の様な「ホビーバイス」と言われているジャンルものを利用して革を固定しながら縫っています。首が色々な角度に変えられるのでとても使いやすいです。もし気に入ったら、机に挟むものや吸盤で固定するようなものまで色々あるので自分の環境にあったものを選ぶといいと思います。
⑦新機能「お札くるんスルーシステム」の作成
1mm厚の革を2枚使います
いきなり「お札くるんスルーシステム」完成。実際は現物合わせで最終的な細かいディティールは決めていきました。下部に見えるのは札止まりの縫い跡です。
⑧財布本体及び、取り外し可能な「お札くるんスルーシステム」の完成
ということで、財布はほぼ完成。
⑨元々付いている引手がいまいちなので「Dカン」と「細く切った革」で引手の作成。
元の引手は取り払って・・・
新しくDカンを入れて・・・
細長く切り抜いた革を・・・
Dカンに通して中心を縫い合わせ、角を整えれば完成
⑩トコノールでコバの処理をしたら「革の達人」で軽く磨く
お気に入りのレザーワックス「革の達人」。1つ持っていると色々な革製品のお手入れに使えるので便利。価格も安めなのでおすすめ。
⑪完成
とまあ、こんな感じです。いつも通りの工程ですね。
完成写真は2週間位使用した後に撮影したものです。中身も沢山入っている状態なのでふっくらとしてます。又、多少の使用感も出ていますね。
別角度から。
サイドはこんな感じ。銀色に見えるのは鍵です
手に持つとこんなサイズ感。
前回(4作目)と比べてみました。
左:今回(5作目) 右:前回(4作目) 結構大きさに違いがありますね。
今回作ったL字ファスナー財布は約 横99mm×縦65mm×厚18mmです。カードサイズと言っていながらカードよりは1まわり大きいサイズでした。すいません。それと、中身は入れただけどんどん分厚くなっていきますね(笑)。
飛び出す鍵も健在
右下にある革の結び玉を引っ張ると・・・
鍵の登場。このまま鍵穴へ・・・。
使用感
完成したところで実際に使用感を見ていきましょう。
まずはこんな感じで財布に「お札くるんスルーシステム」を挿入(滑り込ませて)して使います。ちなみに「お札くるんスルーシステム」を取り外せばスタンダードな小型L字ファスナー財布として使えますし、カード入れとして使えばかなりの量のカードが入ります。
それでは中身を入れていきます。
試しにカード10枚・お札5枚・小銭10枚・鍵1本を収納してみます。
う~ん。この位が快適に使う限界ですかね。写真ではカードを真ん中に集めて入れていますが、「お札くるんスルーシステム」と「外装の革」の間にカードを収納することも出来ますので、私はよく使うカードと、免許証・保険証などのあまり使わないカードを適宜分けて収納しています。又、外装の革は薄目の柔らかい革で内張もしていませんが「お札くるんスルーシステム」を入れることによって財布全体が型崩れすることもなくしっかりしています。
「お札くるんスルーシステム」お札の収納方法
お札の収納は簡単。2枚の革の間に、お札を滑り込ませるだけです。そして・・・
上部の革2枚をまとめて丸めながら小銭入れに蓋をするように被せ、ファスナーを閉めます。
蓋をするようにっていうか、実際に小銭入れの蓋になるように設計しています。これは小銭が財布内にこぼれ落ちることを防ぎ、お札に折り目を付けないという2つの効果があります。
又、ファスナーを開ければ蓋が自動的に少し持ち上がるのでお札を取り出す時もめんどくさくはありません。お札もスルーっと抜けますし。
横からみるとこんな感じ。小銭入れ部分の蓋になっているのがわかるでしょうか?
ちなみにお札を曲げて収納する以上、この位の曲がりは出来てしまいます。まあ、しょうがないよね。
完成後の調整・改良
完成したL字ファスナー財布をしばらく使用してみると、挿入している「お札くるんスルーシステム」が1mmの革で作成したとはいえ、2枚重ねる必要があるので意外と嵩張っていることに気づきました。
という事で革を薄くして改良していきます(このままでも使用に問題はないけど少しでも財布の容量に余裕を作るために)。
革を漉いた後、さらにヤスリで削って薄くしてみました。たしかに薄くすると財布に余裕ができますね。革の薄さとしてはこれが限界かな。
次に・・・欲がでて・・・
もっと薄く「お札くるんスルーシステム」を作れないか考えた結果、100円ショップで「黒いカラーホルダー」(よく言うクリアーファイルの黒いバージョンみたいな感じ)と「リメイクシート」を使ってさらに薄い「お札くるんスルーシステム」を作ってみました。
結果、これに変えたらカードがプラス3~4枚位入るようになりました。そんなに目一杯詰め込まないけど、スペースに余裕があることはとても安心感があります。レシート・領収書が溜まっちゃうこともあるしね。うん。上出来、上出来。
左:リメイクシート 右:カラーホルダー(黒)
いずれもお値段100円。
リメイクシートはレザー調のブラックで粘着タイプです。これは財布を開けた時に見える側に貼ります。
上:リメイクシート 下:カラーホルダー
両方ともペラペラでかなり薄いです。
カラーホルダーの片面にリメイクシートを貼り付けて・・・
形を整えて完成。見た目もレザー調なので財布に装着しても違和感はありませんでした。
左:超薄型「お札くるんスルーシステム」 右:本革の「お札くるんスルーシステム」
収納量を確保したいなら断然超薄型の方ですが、やっぱり本革の方が使っていて気持ちいいですかね。
まとめ
今回は第5作目「小型のL字ファスナー財布」の紹介でした。小型の財布はやっぱり嵩張らなくていいですね。又、新機能の「お札くるんスルーシステム」が思いのほか使いやすくて、お札の出し入れもスルーっと入って特に引っ掛かり等もなく快適に使っています(多少の慣れが必要ですが慣れてしまえば使いやすい)。問題の前ポケットの膨らみもかなり改善されて大満足です。
これから「スマホ決済」、「カード決済」、「なんとかPay系」がどんどん普及していき財布のあり方は変わっていきますが、まだまだ現金を持ち歩く必要はあります。そんな時に財布は小型でスマートに持ち歩きたいものです。皆さんはどんな財布を使っていますか?
それでは、今回はこの辺で。皆様の生活の何かの参考になったら嬉しいです。最後までお付き合い頂きありがとうございました。レザークラフトに乾杯!腕時計に乾杯!